櫻谷文庫とは―公益財団法人 櫻谷文庫

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櫻谷文庫は、日本画家・木島櫻谷(1877〜1938)の居住していた和館洋館画室
などの建造物からなり、および桜谷作品、習作、写生帳や画材、手紙類など桜谷に関わる資料類、さらに櫻谷の収集した中世から近代にかけての日本画関係書画、詩文集、書籍、典籍など数千点以上の資料類を収蔵しております。
櫻谷は、明治10年、京都市中京区三条室町の商家に生まれ、京都市立商業学校を中退、日本画家今尾景年の画塾に入門、同時に山本谿愚について漢詩を学びました。明治40年、第1回文展に「しぐれ」で2等賞に入選、第6回展まで連続入賞し、大正2年第7回展では、今尾景年にかわって審査員を務め、大正元年に京都市立美術工芸学校教諭、大正4年京都市立絵画専門学校(現京都市立芸術大学)教授となりました。櫻谷は、大正元年頃、室町御池から衣笠等持院の地に引っ越しています。その時に母屋(和館)収蔵庫および展示室(洋館)、それにアトリエ(画室)が建てられています。
この櫻谷の引越しを契機に、土田麦僊、金島桂華、山口華楊、村上華岳、菊池芳文、堂本印象、小野竹僑、宇田荻村等京都画壇の画家たちが衣笠周辺の地に移り住むようになりました(「円山四条派の系譜」も参照ください)。
櫻谷文庫は、櫻谷没後、昭和15年3月25日に、櫻谷の作品、建造物、櫻谷が収集した詩文集、書画、書籍、典籍等を保管管理、公開し展示、併せて美術研究者、芸術家支援を目的に設立されました。


櫻谷文庫 洋館京都市指定有形文化財(市指建第75号)
構造:木骨煉瓦造2階一部平屋建、瓦葺、建築面積107u
年代:大正2年
建物1階と奥1,2階は収蔵庫、建物手前玄関から螺旋階段を上がると、漆喰壁、自然色の腰板など大正時代の特色を示す洋間の展示室となっています。折り上げ天井や、櫻谷のデザインの腰板部分の竹の装飾、櫻谷の手による棚戸の蕨の絵など、全体として和洋折衷の意匠になっています。各窓からの自然光、景色が作品と一体となる、最適な展示スペースになっています。


櫻谷文庫 和館京都市指定有形文化財(市指建第75号)
構造:木造2階建、瓦葺、建築面積195u
年代:大正2年
櫻谷一家の居住した、もとは回廊で結ばれた建物群の中で現存する母屋の建物です。1階は正玄関、仏間、客間、台所には井戸、おくどさんが有り、2階は12畳2室を含む計4室の客間となっています。四方が窓になっており、嘗ては北に衣笠山などの北山、東に東山三十六峰が見渡せました。









櫻谷文庫 大画室京都市指定有形文化財(市指建第75号)
構造:木造平屋建、瓦葺、建築面積187u
年代:大正2年
玄関を別棟とし、外観は2階建ての様に見えますが、天井の高い80畳の大画室となっています。南西側に廊下(現在畳敷き)が廻り、北東角に幅広の床の間を配しています。高窓と南西窓からは柔らかな自然光が入り、画室として絵画制作や弟子達の指導にあたる場所として使われました。

9月7日復旧工事が終わりました。大正2年(1913年)の80畳敷大画室の趣きに戻りました。画室は柱がなく、画室の裏には補強材が整然と並んでおります。


櫻谷文庫 収蔵品
櫻谷文庫収蔵品のうち、木島櫻谷作品の一部をご紹介いたします。